パレスチナ1948 NAKBA
去年のヴァーホーヴェンの「ブラックブック」のオチは第二次中東戦争(1956)なれど、この「パレスチナ1948 NAKBA」にスムーズに繋がる。
「ブラックブック」のヒロインがしばしの安寧を得たイスラエルのキブツ、そのキブツにあった瓦礫に対する疑念から話ははじまる。40年前キブツの思想に共鳴した監督は研修生としてキブツに参加、そこにあった瓦礫から数年前まであったパレスチナ人の村にたどり着く。
性別世代を問わないパレスチナ難民、反占領派ユダヤ人組織「マツペン」、1948年、80年代のベイルート侵攻、2000年代と断片化されたwhoとWhenが混沌としたパレスチナ問題を混沌としたまま鋭く描いている。
泥沼の代名詞と化しているパレスチナ、何度も報じられているが故に、判っているつもりになっている75万人の人間が土地を逐われるということを再認識させてくれた良作。