ミリオンダラー・ベイビー

 前作『ミスティック・リバー』では、人生の歯車が狂っていくきっかけは(朧気ながら)少年強姦魔として存在していた。しかし『ミリオンダラー・ベイビー』では明確なきっかけが存在せず、登場人物の人生を左右するのは、ただ巡り合わせでしかない。その意味では『ミスティック・リバー』より完成度が高い。
 (しかしイーストウッドの最近の作品では『ブラッド・ワーク』が一番良かった)