戒厳令 [DVD]
イヴ・モンタンとコンスタンタン・コスタ=ガヴラス監督の社会派三部作の一つ。
ウルグアイで民間人である”はず”のモンタンが誘拐された。しかし彼にはCIAという裏の顔があり、戒厳令が発せられた。
戒厳令が議決された議会の撮り方がうまい。カメラの視点を議長の後ろにおき、議会をから右から左に撮っていく。そしていわゆる議長席からみて左に空席が集中していて、議会が健全に機能いていないことと、その原因までもはっきり鑑賞者にわからせる作りとなっている。
事件が終わったように見えるが、ウルグアイがアメリカ合衆国の非公式帝国の一部であることと、搾取者に対する盲目的な怒りはそのまま残存していて、何も変わっていないという気持ちにさせられるというところが良い。
ガヴラスの新作「斧」がなるべく多くの映画館で公開されることを望む。