アルバレス・ケリー

 南北戦争中、アイルランド系メキシコ人の凄腕カウボーイであるアルバレス・ケリーという男がいた。彼はビジネスであれば、南北両軍と取引していたが、物資の欠乏が深刻化してきた南軍は彼を拉致し、強引に北軍から牛を強奪する仕事を押しつけた。
 
 非常に良くできた話しである。物事には原因があって、結果があるということをちゃんと描き、映画の魅力である大画面を使って牛の暴走をしっかりとっている(ラストはご想像の通り、倶利伽羅峠です)。
 さらにリチャード・ウィドマークがアイパッチをつけて演じる南軍の騎兵隊の隊長や弁護士あがりの北軍の少佐などが脇を固めている。 
 ケリー出自を語るときメキシコ戦争でによって父親の牧場を奪われた、と言っていたが、アイルランド人がメキシコにいたのはカトリック繋がりによるものであろう。