いまさらな感想 硫黄島からの手紙

 年末に観た時にブログに書くのを忘れていたので
 回想を結構使っているのは『父親たちの星条旗』と一緒だけど、はるかにわかりやすい構成となっている。たぶん、日本側からの視点でとれば日本でのヒットが見込める→わかりやすくしとこうというスピルバーグの計算だろう。
 ラストある登場人物が病院に担ぎ込まれるところで終わり、家族と再会させないのは『許されざる者』で主人公の家を映したが、家族は映さなかった(もしや……ということ)という方法をマイルドにしてものなのか。
 「合理的な思考」ができるバロン西や栗林でさえ自決してしまうところに業の深さを感じてしまう。
 アクション面では珍しい日本の兵器はあったけど映像表現的にはあまりなし。ラストシーンは荒野と父親(的人物)の最期というところが特にパゾリーニぽかった。そこでの、最後から二番目の死者が出る時の唐突なカットはさすがイーストウッドという良さがあった。