暗黒街の男たち

 フランス映画祭の鑑賞券をいただいたので六本木ヒルズにて鑑賞。 
 私の中ではこういうギャングものの描写が一歩進んだような気がする。主人公は『仁義無き戦い』の大友勝利に狡猾さを加えたような男。暴力と恐怖でパリの暗黒外を仕切る。人格的にみて肯定的な評価を与えられる点はほとんど無い。
 そんな彼であっても栄枯盛衰の理からは逃げられないのであった。
 短いながらもハリウッド大作に引けをとらないような銃撃戦のシーンがある。特に駐車場での銃撃シーンで風除けのガラスが雪のように積もるのはまずまずだった。それに銃声のエフェクトが本当に痛そうだった、隣の人がブルッと反応してたもん。
 甘さを排除したつくりには本当に感心した。最後に生存と成功を勝ち取った人間が、人間関係に距離をおき、狡猾さと周到さを兼ね備えた人間であるところが実に『シャドウラン』的。