周遊する蒸気船

 シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞。
 良作には違いないけど、まあ古典補正を入れなければ辛いところもあるかもしれないと思ったがそんなことはほとんど無かった。地上波でゴールデンタイムで放映してもかなりの好評をやられると確信を持った。それくらい先鋭性がある。
例えば
・甥の無実を晴らすため蒸気船レースに参加し、その川べりに唯一の目撃者である説教師(その名もニュー・モーゼ)を投げ縄で捕まえてしばらく引きずり回して回収。というところは『仁義無き戦い 広島死闘編』の拓ボン拷問シーンに引用(え?)されてる。
・でその説教師「レースなんぞ悪徳じゃ」と言った次のシーンには狂騒的にレースに参加
・ヒロイン(主人公の甥の婚約者)を追いかけて沼地の民(ケイジャン)が出てくるシーンは『悪魔のいけにえ』を筆頭とするヒルビリーものの先駆
・そのヒロインは極めて可愛くとっていてコスチュームも豊富。亡妻の服を着せるあたり昨今の萌えブームやツンデレを先取りしている?
ところで字幕は叔父甥となっていたが、「妹の子」とともなっていたので伯父甥なのではともも思ったが些事ですね。