チャパーエフ

 アテネ・フランセにてロシア革命の内戦期のパルチザンの指導者チャパーエフを主人公とした映画。パンフレットによると大衆的な人気を得た、とあるがそれも納得。序盤の戦闘までのテンポが非常によく、チャーパーエフ、コミッサール(良い奴……まあしょうがないよね)、若い赤軍兵士のカップル、白軍の将軍と従卒などキャラクターも立っている。
 白軍の将軍がよくある無能で高圧的ではなく、有能で従卒を気遣ったりというのも結構意外だった。とこういう風にプロパガンダ風は薄め、と思わせて言うべきことは言っておくのが優れたプロパガンダ映画ということなんだろうな。
 最後は装甲自動車に対する肉薄攻撃→味方(赤軍)の徹底した反撃という構図に「プライベート・ライアン」にまで繋がる黄金パターンの確立をみた。後半が急に話が加速するのもB級(≒大衆性)ぽくて納得。
 マキシム機関銃の整備風景が多く、好きな人にもお勧め。

 蓮實重彦氏の本によると独ソ開戦時、「チャパーエフは生きている」という映画で愛国心を鼓舞したとある。まさか……
雷鳴とともにチャパーエフが復活。そして最期の地近くに駐屯しているドイツ兵を一人づつ血祭りにあげていく、という話じゃないよな。
(それじゃ「チャパーエフは生きていた!」の間違いだ)