総進撃

 イタリアン・ネオリアリズモの巨匠フランチェスコ・ロージの戦争映画。BSフジで見たが、この枠「都会を動かす手」をやってくれたりと担当者の趣味が伺える。舞台は第一次大戦塹壕戦。ネオリアリズモらしくヒロイックに盛り上がりもなく、一人の基地外師団長(名前はレオーネ、実在の人物か? それともセルジオ・レオーネからとったか?)のせいで兵士も下士官も、士官もみんな死んじまったよ〜ん。という悲惨な話。
 師団長の悪行、行軍中声をあげた兵士に銃殺命令! たとえそれが銃撃をうけたことによるものであっても。
 フルヘルムとブレスストプレートをつけた兵士に鉄条網切断を命じる! 画像はここにあった!2007-08-10 流石ははてな! ブリキの木こりのような姿だが案山子のように打ち倒される! でも予定通り通常部隊は突撃! また死体の山!
 その他負傷兵を自傷でないかを選別するシーンがあり、そこで銃口と体の間にパンを挟めば、火薬跡や火傷が残らないという豆知識も得られてお得。あとこのシーンで壁際にならんだ負傷兵の列は映像的にも中々力強いものがある。後この病院の看護婦にダリオ・アルジェント婦人ダリア・ニコルディ(確信はないけど、ここ以外女性の出番がほとんどない)。その他オーストリア騎兵の襲撃(第一次大戦の騎兵の突撃描写って結構貴重よね)と、機関銃の反撃が絵的に見せ場だった。
 ネオ・リアリズモということで、平坦な演出だがそのトーンは、同じく第一次大戦物「トレンチ」に通じるものがある。