ノーカントリー

 バビエル・バルデム、顔芸でお笑いに転向しない? 
 最初の殺しと雑貨店の主人のコインのやり取りのあとの「どや顔」はもう二百点くらい。
 雑貨店の主人の俳優もよくみつけてきた。「ブラッド・シンプル/ザ・スリラー」の探偵に結構似てる。
 ジョッシュ・ブローリン、同じくベトナム帰還兵映画「ローリング・サンダー」の主人公みたいにトミー・リー・ジョーンズみたいな舎弟がいれば……(別にショットガンの銃身を切り落とす繋がりでは無い)。傷つきながら逃げる彼には、在りし日のウォーレン・オーツみたいな格好良さがあった。
 トミー・リー・ジョーンズはいつもの公務員役と前作「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」からまさに熟練の極み。母星に純粋なる悪と接触し損ねたと連絡するよろし。
 ウディ・ハレルソンも相変わらず器用だなあ。ああいう軽薄で嫌味な(役柄の)奴が実力もあるという展開が好き。だけど今回はまあいいや。
 
 後、木漏れ日を映すドル札は美しい。