炎のマリア

 上映会情報日本・ブルガリア外交関係再開50周年記念 ブルガリア映画特集

ブルガリアオスマントルコの圧政にあえいでいた17世紀後半。妻をトルコ人に殺された羊飼いが、生き残った娘に男装をさせて復讐のための訓練をほどこす。

 こう言われると、小池一夫せンせいから一山幾らのエロ漫画家までペンを握り、読者・観客はいろんなとこを膨らますってもンじゃないですか。
 妻のレイプシーンまではほぼセリフ無しで若松プロの作品のような緊張感を保つ。
 でここから娘に徹底した特訓が……施されない。
 こういう場合、不利な状況を覆すために酔えば酔うほど強くなる(ムスリムには真似できまいという感じで)とか鍼のツボを使うとかギミックがいるわけじゃん。それも無くってただちょろっと打ち合うだけ。あっという間に9年がたって、体はともかく武芸の腕が成長しましたっていう描写がほとんどない。
 活劇映画として観たら、父親が死んだり病気になって娘と補い合うというパターンになるかと思いきやピンピンしてるためそれもなし。
 仇のトルコ人との殺陣も、何の工夫も無くはっきりいってつまらない。

 復讐行と並行して、娘のトルコ人との悲恋が続くがアクションの魅力の無さにどうでも良くなった。淡々とした描写でもアクションを盛り上げる技法がものが全く無く期待はずれだった。