セントアンナの奇跡

 スパイク・リーの前作「インサイド・マン」は強盗の話だったが、この「セントアンナの奇跡」はマジメな郵便局員が、客を射殺するところから始まる。そして物語は1983年のNYから、事件の原因である第二次大戦中のイタリア戦線へ。
 
 「心優しい黒人の巨漢と子供」という鉄板の組み合わせにに色々な映画から頂いていて
 基本的な枠組みが「プライベート・ライアン」+「三人の名付け親」(だから冒頭のテレビで流れてる映画がジョン=ウェインなのね)で、「ソドムの市」とか「パンズ・ラビリンス」を振りかけたような味付けだった。あと勿論「バッファロー大隊」もね。
 テレビドラマ「シールド」で自信過剰なトラブル・メーカーのシェーン役の俳優が上官役で登場。相変わらず自己中心的な役を好演していた。「シールド」ではある程度の実力もあっての話だったが、こちらでは見せ場もなくただむかつくだけ。
 その他ジョン・レグザイモがレグザイモらしい役で出演。
 イタリアのパルチザンものはイタリア製のものが何本かあり、虐殺シーンや装甲車両の出番は夜間で誤魔化す場合も多い。しかし、さすがはハリウッド、昼日中に虐殺をやってくれるのが嬉しい。ただし大型車両は山岳部/市街戦なのでなし。(ブルムベアがぶっ放すシーンを密かに期待してたんだけどなあ……)
 
 2時間40分でも退屈しない映画だったが、それでも削れるところがあると感じた。特に最後の現代パートはもっと要領よく出来るはず。