フライボーイズ

 時は第一次世界大戦中、アメリカ参戦前。フランス空軍に参加した義勇パイロット部隊ラ=ファイエット部隊の物語。
 ハワード・ホークスや「つばさ」のことを考えると、この頃の飛行機と映画は相性がいい。この映画は少なくともその伝統に恥じないできにはなっていると思う。
 ただ予告にもある独飛行船の対空機銃手が爆死するところなどは、スピルバーグなら本当にギリギリまで撮ったはずだがあっさり風味なのが残念。スピなみの政治力がないとそういう描写は難しいのかもしれないが……。
 軍隊映画のお約束である訓練、戦友の死などもたくみに描いているが、酒場での喧嘩はちょっとした定石破りがあるのでこれも面白い。
 主演のジェームズ・フランコスパイダーマン・シリーズのハリー・オズボーンでおなじみ。「スパイダーマン3」で記憶喪失時、「こいつ本当にイヤなことは全て忘れてんじゃねえか」と思わすような笑みは素晴らしかった。ので公開順が入れ替わったとは言え、主演作が公開されてとてもうれしい。
 しかし主要メンバーが、破産したカウボーイ、黒人ボクサー、落第生、カトリックの聖書狂、と軍人一家以外のアウトローな経歴が好ましい。空の騎士のイメージがある第一次世界大戦+義勇部隊となればファンタジーの受け皿としてはもってこいだ(マスコットはガチでライオンだし)。
 ジャン・レノは小遣い稼ぎで、数瞬しかでないと思っていたら、結構出番が多かった。特にコメディアンの経歴を生かした「志村! 後ろ! 後ろ!」の場面は良し。
 なおアメリカ軍はあの後、しばらく黒人のパイロットを採用しなかったが、いつ方針を変えたかというと
VOA - Voice of America English News
で。