ボリス・バルネット

アテネ・フランセにて
 「青い青い海」
 映画を楽しくした男の異名は伊達ではないということを思い知った。何ということもない三角関係の話なのに……。
最後の船出は溝口健二の「雨月物語」に匹敵する。

「諜報員」
 反ナチスパイ物。ラストスパートは異常。何の変哲も無いシーンを不気味にとるというところは素晴らしかった。でも同路線ならラングのほうがいいなあ。

「国境の町」
 たかがロシア革命万歳映画にここまで洗練を用いてよいものだろうか?