「エル」「デスペア」
メンヘル親父大暴れの二本立ては疲れた。
セルバンテス文化センターでブニュエル特集「エル」を。収録したDVD-BOX発売記念ってとこか。なんと無料。
ちょっと周りの見えないところのある名士のおっさんが、教会で見かけた足の綺麗な女子をストーカーして略奪婚。その後異常性をあっというまに発揮し、結果エラいことになってしまったのでした。
階段や鐘楼をうまく使って、親父の異常性を文字通り縦横無尽に描いとりました。展開が物凄く出鱈目なのも素晴らしかった。テレノベラがこの感じを継承してるのかしら?
会場のセルバンテス文化センター、難民映画祭のお手伝いに行った時も思ったけど、本当にキレイ。
「デスペア」
アテネ・フランセに移動してファスビンダー映画祭で「デスペア」。超満員。
主人公が、全く似ていない人物をそっくりだと思い込み替え玉にしようとする。や、ガラス戸を多用したセットなどが有名。
1930年代前半、ワイマール共和国で、チョコレート工場を営む亡命ロシア人(ウォンカさんではない)とその妻(ウクライナの田舎者)と更にその従兄弟(画家でおそらくゲイ。なんとなく絵画の才能がなくて政治に転向したチョビ髭を思い出した)が主要登場人物。
社会情勢に無関心(を装う)な人間が、ひたすら妄想の中に入りこんでいく−というところが真骨頂か。
ラストは「サンセット大通り」だけど衝撃度はこちらが上。