アルチバルド・デラクルスの犯罪的人生

 ブニュエルのメキシコ時代の映画。自分がオルゴールを鳴らしたら気に食わない相手は死ぬ! という邪気眼的妄想に獲り憑かれたオッサンの物語。
 このオヤジ、フィギュア萌え族まで併発してまことに手に負えない、もちろん足フェチ炸裂。彼は立証できなくとも一人は確実に殺している。にもかかわらずハッピーエンドになっていて、それでいいのか? という気持ちにさせてくれる。
 メインの小道具だけでなくステッキの使い方もうまい。ほんとに虫も殺さない人間になるのだ。(チャップリンの影響か?)