エデンの西

 フランス映画祭にて。コスタ・ガヴラス監督最新作。
 ギリシャからのフランスへ密航しようとしたエリアス(男:平井堅を少し薄くしたようなギリシャ人)は航海の途中検挙を逃れるため地中海に身を投ずる。そしてヌーディストビーチに漂着、ここからイタリア南部からパリまでの旅が始まった。

 ガヴラス作品としては軽い作りで、綺麗なみなさんの裸がいっぱい、ウンコネタもあり展開も速く飽きさせない。エリアスが着替えることで対人関係が変わるというメタファーも判りやすいしね。序盤浜辺に死体があがるところや、手品師の使い方がフェリーニっぽく、またラストシーンがチャップリン風だった。監視カメラからの視点−特に最初のリゾートホテル−が無かったのが、現代社会批判としては不完全だったような気がする。
 
 上映後の監督とのティーチインで
 色々な人にエリアスが助けてもらえるのはイケメンだからでは? という質問に対し、そういう風に捕らえられるのは本位でない。非イケメンを使うと移民差別では? と言われるのでジレンマはあったがイケメンのリッカルドを使ったと。

『Z』を観てファンになったチェニジアの大使がおられて、ファン歴40年目にしてようやく日本であえたと、エエ話もあり。