映画ゼロ年代ベストテン
washさんの映画ゼロ年代ベストテンに参加。
1.ズーランダー
「ユナイテッド93」で間抜けな平和の象徴のように扱われていた。実行犯が見ていれば思いとどまったかもしれないのに……。
2.ランド・オブ・ザ・デッド
リアルタイムでロメロのゾンビ映画を体験するのは初めてだったので
3.ブラッドワーク
イーストウッドの復活はここから
4.カポーティ
泣けた
5.シルミド
韓流&戦争(状態)映画代表
6.マーターズ
拷問ホラー&フランス映画代表
7.Zガンダム 星を継ぐ者
世代だ
8.スリープレス
ジャロ代表
9.ゾディアック
70年代回顧代表
10.接吻
黒沢清を一本に絞りきれなかったので
2009-11-08
さすがは週刊新潮
この
誰も「美人結婚詐欺師」と書けなかった「毒婦」のグロテスク人生
週刊新潮 | 新潮社
はさらっと考え付く見出しじゃないよ。これと千葉、島根、鳥取と事件班+黒い報告書班の健康が本気で心配だね。
ジャロ的事件発生!!
きたよ、アメリカ人が事件に関わっているというのがもう、海外に売りやすくていいね。
今時、ジャーナリストの素人探偵が捜査を始めてるぞ。途中でコートジボアール人の怪しげな儀式の描写があるが事件とは何の関係もないぞ。怪しげな疑似科学理論をかざす博士が取材を受けた後に殺されるぞ。犯人はトラウマを持ちだが、絶対まともな推理ではあてられないぞ。
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/091003/erp0910030701007-n1.htm
壊れた神々
ラテンビート映画祭にて。はっきりいって失敗作だなあ。
20世紀初頭のハバナ、表社会はアメリカに、売春組織はフランス系組織に仕切られていた。そこにヤリーニという女衒が立ち向かい、フランス系組織のボスと相撃ちになった。裏社会の出来事とはいえ、列強に一矢報いた彼は国民的英雄となったというのが話の枕。
時代は移って現代のハバナ、大学の女性教員がヤリーニの時代と対比させつつ現代の売春組織の調査を試みていた。家田荘子か? と思ったら少し顔も似ている。「極道の妻たち」は「愛した男がヤクザだった」というのがテーマだったが、こちらはそれに「女衒は娼婦を愛するようになる」というのが加わっている。
で現在のハバナ裏社会を仕切っているのがロサンドで、スペイン語圏版ブードゥーとでも言うべきサンテリアの祭司でもあり、ヤリーニの遺物を所持し自身の権威にハクをつけていた。彼がトランスフォーマーでいうとメガトロンで、スタースクリームにあたるのがアルベルト。現役感たっぷりで資産家の未亡人や先の大学教員をコマしたりとお仕事に励む毎日。この二人、サンドラという元娼婦を巡って三角関係を形成。まあ映画ですから破綻が訪れますわな。
日本人は少なくとも黒社会映画に関しては目が肥えていて、その基準で見るとキビシイ出来。中々抗争は激化せず、バイオレンスの面では完全に肩透かし。ヤバイ、ヤバイといわれているロサンドの組織も大して人数がおらず、テレビの「夜王」の北村一輝のホスト軍団のほうがよっぽどスケール感がある。では抽象性をあげて様式美の世界に持ち込みたいのかと思えば、中途半端に娼婦への取材場面が出てきて引き戻される。それに警察や買う側の客の証言もなくこれまた不徹底。
タランティーノ風の時間軸を行ったり来たりする編集とカメラワークは、少々落ち着きが足りない気がするがまあ合格点。音楽は流石キューバ、いいねえ。あとエロシーンは充実。
96時間
リーアム・ニーソンとファムケ・ヤンセンの英国人元夫婦の娘がパリで誘拐された。元凄腕工作員のニーソンが昔取った杵柄で娘を取り戻すためアルバニア系人身売買組織に立ち向かう。
元諜報員と来たら、リーアム・ニーソンとファムケ・ヤンセンだと、昔とった杵柄度は、後者のほうが上って気がしません? ニーソンがセガール拳を振るうのはまあ高位ジェダイということで納得できるけどさ。
リュック・ベッソン総指揮ということで何かいらんとこでテンポが乱れることを心配していたが、約90分ということでそういうこともなく楽しんで見れた(と思ったら最後の最後で……)。
異郷の地で近親者が人身売買組織にさらわれるというプロットで、フライシャーの「アシャンティ」を思い出した。この「96時間」も最後の立ち回りが船上ということで、その印象は強くなった。しかし「アシャンティ」では買い手のアラブ系の富豪をオマー・シャリフにして、顔の立つようにしてあったのにこちらではその配慮がない。非情さが際立って良いといえばよいけど。あと誘拐される娘/妻の美人度も脱ぎっぷりも「アシャンティ」のほうが上(←超重要)。 ニーソンのワンマンショーになった分世界が狭かった。